「余計な波動を出さない」から釣れるi字系の起源と釣果を伸ばす極意
i字系とは、主に水面直下10cmを真っ直ぐ一定の速度で引いてくる釣法のことで、使うルアーは基本的にウォブリングもローリングもさせません。
i字系の釣りは、ただ投げて巻くだけのように見えて、実は「一定の速度を維持する」「余計なノイズ(波動)を消す」という繊細な技術が求められます。
名前の由来:S字系へのカウンター
この釣法が「i字系」と呼ばれ始めた背景には、先にブームとなった「S字系ビッグベイト」の存在がありました。
左右に大きな弧を描いて泳ぐ「S字」に対し、直進に特化したこのスタイルを対比させる形で「i字系」という呼称が定着したのです。
知られざるルーツ:スライダーワームの衝撃
「i字系」という言葉自体は比較的新しいものですが、その理論は決して新しいものではありません。
1990年代、まだその名前こそ無かったものの、「スライダーワーム」を真っ直ぐ引くメソッドは既に一部のアングラーの間で確立されていました。

「Do Nothing(何もしない)」という哲学で知られるスライダーワームの開発者のチャーリー・ブリューワー(Charlie Brewer)氏が提唱したこのスタイルこそが、まさに現代i字系の元祖といえます。
彼は、ルアーに過剰なアクションを加えず、ごく自然に、無防備に泳がせる「Do Nothing(何もしない)」というコンセプトを提唱しました。
これは、当時の「ルアーは動かして誘うもの」という常識を覆す革命的な考え方でした。
上記のスライダーワームのパッケージのイラストのように、スライダーヘッドという専用ジグを使って、ただ巻きのスイミングさせるのがブリューワー氏の推奨の使い方です。
ただ、日本では当時、テキサスリグやスプリットリグとしての利用が圧倒的で、スライダーヘッドを付けたスイミングをやる人はあまりいませんでした。
私が初めて釣ったバスもこのスライダーワーム4インチのパープル/ピンクテールでのテキサスリグでした。
ワームのロングキャスト時の身切れからハードルアー(プラグ)のi字形の誕生
もともとはワーム素材から始まったi字系ですが、実はこれが意外と「気難しい」ルアーなんです。フックの指し方がほんの1ミリ曲がっているだけで、アクションが台無しになってしまう……。
ロングキャストでの衝撃でワームがフックによって身切れしてしまう......。
そんな神経を使うリギングに悩まされた人も多いはず。
そこで救世主として登場したのが、ハードプラグタイプです。誰が投げても真っ直ぐ安定して泳ぎ、飛距離も稼げる。ただ、ワーム特有の「生っぽさ」は少し譲ることになりますが……。
この釣りが一気に爆発したのは2019年頃。琵琶湖のベイトがギルからワカサギやアユへとシフトしたことがきっかけで、i字系の釣りが流行りました。2020年以降、各社から続々と名作ルアーがリリースされました。
i字形のやり方
クリアウォーターでベタ凪の時、表層をV波紋で真っ直ぐ一定で引いてくる。「水面に追い込まれた状態」を演出する。
ウォブリングはもちろんローリングもさせないのがi字系ルアーの特徴。
真っ直ぐ引く時、ただ巻きにして絶対に速度を緩めない。
「ただ巻きする理由」
バスに後ろに突かれて遊泳速度を落とす小魚はまずいないのでバスからしてみれば疑わしい動きであり、小魚演出としては
- 一定速度のただ巻きか
- 速度を上げるか
の2択です。
バスがルアーの後ろについているかどうか見えていない状況で、やみくもにルアーの速度を上げられないから「速度を上げる」という選択肢が消え、無難に「一定速度のただ巻き」をする訳です。
余計な動きが出ないように真っ直ぐ引きたいから、脇をしめてヒジを固定して極力ロッドが上下動しないように固定して一定速度でリーリングする。
水面下5〜7センチを引いてきて、最後のひと食いを誘うために、「バスが後ろについたな」と思ったらヒジを固定したままリーリングしたまま腕だけスッと少し上げ、水面に向かって3cm逃げる動きがキモで、クリアウォーターでやるのでボートを悟られないように出来るだけ遠くでかけたい。オカッパリなら人の姿を見て追うのをやめて反転するからやはり遠くでかけたい。だから細い糸を使って可能な限り遠くに飛ばし、バスとのディスタンスを確保する。
i字系が効くのは朝マズメが終わった8時9時か夕マズメ前で小魚が水面下まで浮いてきている時。
朝夕マズメはどんなルアーでも食うからi字系でなくてもいい。
ワームならアイシャッド:【赤パケ】i Shad / iシャッド - FRESH WATER バス釣り |JACKALL|ジャッカル|ルアー
プラグならセイラミノー:秋の凄釣れセイラミノー - FRESH WATER バス釣り |JACKALL|ジャッカル|ルアー
ワームは遠投で身ギレを起こさない比較的距離で使用、それより遠い場合はプラグの出番。
なれど、柔らかいものに勝てない時があるのが悩みの種。
流れの中でやるなら断然プラグのほうがいい。ワームは流れで曲がって余計なノイズが出てしまうから。
アイプロップは、雨が降ったりして濁っている時に「もうちょっと魚に気がついて欲しい」から作ったらしい。iProp75SS マルハタカスタム - FRESH WATER バス釣り |JACKALL|ジャッカル|ルアー

i字系は1番エサに近い釣りだから、やる人が増えても釣れなくなるということはない。
特に年に3回、ポストスポーニングと、アユの産卵期である10月と、その生まれたアユの稚魚が降りて来てワカサギやハスがそれを食う11月、の3回がi字系がハマる時期。これ以外の時期でも普通に釣れるし、エサに対してセレクティブな時はi字系じゃないと釣れないっていうくらい。
タックルは、秋のウィードがまだ残っているなら強めのタックル。スピニングの276MにPE0.6のリーダー6〜12lb。
ポストスポーニングでウィードがまだない時はタックルを弱め。ロッドをULにしてPE無しで5lbフロロ。
i字形のプラグのテールにセットされた高浮力のティンセル素材は、i字系にとって「直進安定性」と「視覚的な誘い」を両立させるための必須パーツです。浮力のある繊維が水流を整えることで、ボディの余計なロールを排除。同時に、微細な輝きを放つことで、動かないルアーに対して半信半疑なバスを最後の一歩で食わせる「視覚的なフック」として機能しています。
